皆さま、こんにちは!しおさい電力代表の鵜沢です。直近一年間の電気の異常な値上がりには大変難儀しております。皆さまにおかれましても、昨年と比べ1.3倍以上の電気料金の負担となり、厳しい状況が続き心苦しい次第です。その様な状況から最近、原子力発電のニュースが目立ち始めました。電気価格の高騰を抑えるために、国は比較的安価に発電できる既存の原子力発電所7ヶ所の再稼働を目指し、さらに次世代の原子炉開発の検討もすると言うことです。そこで今回は原子力発電について考えてみたいと思います。
国が原子力を推し進める理由
原子力発電は、安全の確保を大前提に、メリットとして大きく(主に)3つの点があると考えられています。
<燃料の安定供給が可能>
原子力発電の燃料となるウランは、石油に比べて政情の安定した国々に埋蔵されていることから、資源の安定確保が可能です。また、使い終わった燃料は再処理することで再び燃料として使用する事ができ、準国産のエネルギー資源になります。
<発電時にCO2を排出しない>
核分裂のエネルギーを利用する原子力発電は、発電の過程でCO2を排出しません。
発電時にCO2を排出しない原子力発電は、温暖化対策の一つとして期待されています。
<電気料金の安定に役立つ>
原子力発電の利点は、電気料金にも反映されています。
これは、発電コストに占める燃料費の割合が、火力発電などほかの発電方法に比べて低く、燃料費の高騰による発電コストの上昇を避けることができるためです。
原子力発電のデメリット
<放射能は人間が無害化出来ない>
原子炉から出る汚染物質である高レベルの放射性廃棄物は、人間の健康に害のない状態になるまでに10万年を要します。現在の人間の科学力では無力化することが出来ないため、子々孫々まで押しつけることになります。また、それを埋めたりする処理コストは天文学的に高額であり、功利主義の立場からも原子力発電は元が取れない技術と言わざるを得ません。
更に、原子炉は少なからず事故を起こす恐れがあり、その場合は、途中で廃炉となることは勿論のこと、後処理に要する期間が30年から50年ほど延長されることになり、ライフサイクルは100年を超え人の一生を超えてしまいます。この観点からも今現在の快適さを追い求めることは、私たちの子供達への負担を増やすことに繋がります。
<有事の際の標的になる>
ウクライナへのロシアの攻撃でも明確ですが、もし戦争が起これば発電所はミサイルによって真っ先に狙われるターゲットになります。もし原子力発電所が、標的になり破壊されればその被害は計り知れないものになります。
このように原子力発電にはメリットもありますが、大きなデメリットがあります。私の勝手な持論を言わせていただくならば、原子力発電に使うお金を、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーや火山列島のメリットを生かして地熱発電の研究に当てるべきではないのかと思います。